サルトル

『ジャコメッティを書くという事』

美術雑誌「ギャラリー」に連載している『イマージュの交感ー蕪村VS西洋美術』も21回目に入った。9月1日発売号には、ジャコメッティと彼のオブジェ《超現実主義のテーブル》につして書いている。実は今回の分は、個展のための制作に追われて執筆は無理だと思ったが、主題が〈狂人〉という事もあり、急に書く意欲が湧いてきて一気に書き上げた。サルトルの実存主義と重ねてジャコメッティは語られるが、内実はいかに離れた所に在ったかという事、またジャン・ジュネこそ、その良き理解者であった事などを書いた。

 

先日、「ギャラリー」編集部の深井さんが、私の特集のために取材をするというので、茅場町の森岡書店をお借りしてインタビューに応じた。深井さんの聞き方が上手く、珍しく本音を語り、そのゲラが送られて来たが、とてもよくまとまった内容になっている。

 

さて、いよいよ9月1日から始まる個展『目隠しされたロレンツォ・ロットが語る12の作り話』が近づいて来て、本日その案内状が届いた。A4サイズ四面オールカラーの実に良い印刷になっており、今回の出品作の断片や私の詩が入っていて,スリリングな仕上がりである。デザインは求龍堂、印刷は光村であるが、案内状としては昨今に無い、気合いの入った出来に満足する。後は神経を削って作品の仕上げを私が行うだけである。コラージュ、オブジェ、そして写真プリント・・・・と切り換えるわけだが、今回も多分、個展が始まったら、救急病院に担ぎ込まれるように思う。限りある命である。数年前に久世光彦氏から電話があり、「美術と文章の両方をとことんきわめていくように」というアドバイスがあった。今はそこに「写真」が加わった。久世さんからの遺言として、今は受け止めている。

 

 

 

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