銀座奥野ビル

〈個展『立体犯罪学―密室の中の十七の劇場』今月7日より東京にて開催さる!!〉

前回のノ―トルダム大聖堂炎上に関して書いたメッセ―ジには、多くの方から様々な反響を頂いた。いろいろなご意見があって面白く拝読したが、異質なものとして面白かったのは、美大の後輩で、細密な天使像を描く佐藤弘之君のご意見「聖堂が炎上している時に、あのノ―トルダムのせむし男は、果たして無事に逃げ延びられたのでしょうか!?」という着想は、特に私の気を引き〈しまった、そこまで考えなかった!〉と反省をしたのであった。ウンベルト・エ―コの名を出さずとも、美には醜が憑き物のように付いているので、この佐藤君の閃きには〈負けた!〉と脱帽したのであった。……そう、確かにあの炎上の最中に、ノ―トルダム聖堂の、あの黒ずんだ巨大な鐘を鳴らす男が必死で逃げ惑う様を想像するのは、絵になる光景ではあるだろう。……マクロンは、聖堂を僅か5年で直して見せると発言した。……5年、この早さに何の意味があるのか。何を急ぐのか!?……神無き現代に、聖堂が精神的支柱としての存在への崇高な希求などは、もはやそこにはなく、あえて意味を見るならば、観光資源としての必要からの早急さしか、私には見えないのであるが、はたして皆さんのご意見は如何であろうか。

 

 

 

 

……さて、今回のメッセ―ジで書きますと前回予告したのは、ある意味でノ―トルダム聖堂の炎上以上に大変な事態が、実はル―ヴル美術館で起きており、それを書けば誰もが唖然とする事なのであるが、その惨状を示す画像の拡大したものが、未だ私宛に届いていないので、画像が届き次第書くことにして、……今回は、予告を変えて、今月7日から25日まで、銀座の奥野ビル6Fにある画廊香月で開催される個展『立体犯罪学―密室の中の十七の劇場』についてのお知らせを書こう。美術家の大先輩である池田龍雄さんから、銀座の画廊香月でぜひ個展を!!と直接の依頼を頂いてから、もう何年になるであろうか。……早いものであり、いつしか毎年、春の個展として定着するようになってしまった。画廊のオ―ナ―の香月人美さんは、かつてラジオのパ―ソナリティや、舞踏家の大野一雄に私淑してその弟子になったりと、その経歴は多彩であり、また未だ謎であり、ために普段私などが知り合う機会のない方面の方々が画廊に来られるので、私自身もまた一興にして一驚の妙があり、期間中は出来るだけ画廊に行くようにしている。また作品への様々な感想も伺えるので、表現者として発展的な日々が、これから約3週間続くのである。……長い連休が続き、郵便の配達が作動しなかった為に、場所によっては、今回は個展のご案内が届かない場合もある可能性があるので、以下に詳しい画廊の住所を記しておこうと思う。……更なる新作の展開をご覧頂きたく、皆さまのご来場を楽しみにお待ちしています。

 

 

『画廊香月』

会期:  5月7日(火)―25日(土)

時間:13時~18時30分まで (休廊:日曜・水曜)

場所:東京都中央区銀座1丁目9―8 奥野ビル6F TEL&FAX 03―5579―9617

(昭和初期に建てられたレトロな建造物で一見の価値あり。今ではロ―マなどでしか見られない、開きの手動エレベ―タで6Fのボタンを押してから、階上へと上がっていく仕組みで、これもまた面白い体験です)

 

 

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