写真は記録以外の領域でこそほんとうの力を発揮できる事を北川氏は知っているのではないだろうか。実像を通りぬけ、イリュージョンの中にそっと入り込んでしまうのが彼の写真だ。/暗闇のなかで私たちは道のイメージに接するようにアナロジーと謎を喚起してくる何とも不思議な氏の影像のまえでさらなるパラドックスを知るのである。 川田喜久治(写真家)
蝸牛の記号のように、あるいは渦巻く螺旋のようにして巴里は在る。
その仮想の下で闇と光の交接
その眼差しをサン・ラザールの夜に移せば
底に早見に文こうする着色の拡がりがあり、
綺想のうちに華やぐ虚構ゆえの優位がある。
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