関東地方はカラカラの天気だというのに、北陸・東北、そして特に北海道は寒波が停滞して豪雪となり、ホワイトアウトによる死者が出たり、連日の雪下ろしで疲れ果 てている人達の姿が報道されて、なんとも痛々しい状況が続いている。……私も雪国の出身なので、子供の時に突然のホワイトアウトで死にかけた事があり、また雪下ろしの大変さも知っている。汗だくで雪を下ろしても、その夜半からはまた新たに雪が降り積もり、絶望的な夜明けがまた待っているのである。しかし、屋根に雪がかかる重さは何トンという負荷がかかっており、下ろさないと屋根が崩れ、そこに住む人は圧死する危険があるので雪下ろしは命がけである。…私はその光景を先日テレビのニュ―スで観ていて、ふと考えるところがあった。
……北国の屋根事情は知らないが、だいたい関東の方の屋根の傾斜角度は23度~30度くらいかと思う。そこに雪が降ればやがて積もる。……では1トンの雪がズシリと降り積もったとして、屋根の傾斜角度が何度になれば、雪は自らの重みで斜めにズルズルと滑り落ちていくのであろうか?……もっと屋根の傾斜を鋭くすると、家自体の広さは狭くなってしまう。ならば、屋根を2層にして、降雪予報が出た時に、上の層の屋根を操作で動かし、傾斜を例えば30度から50度へと、あたかも初期のサンダ―バ―ドの映画の基地のように作動させて傾斜を鋭くすると、積もった雪は自らの重みで、左右に滑り落ちていくのではあるまいか?……あまりにも、人々は屋根のイメ―ジを概念的に決めつけてしまっており、雪下ろしは運命と思い込んではいないだろうか。……飛騨の五箇山の藁葺き屋根は、屋根の傾斜が45度くらいあり、かなり鋭い。しかし屋根の素材が藁葺なので雪はそこに降り積もる。ならば、屋根の素材(今はスレ―トが主であり、その表面はザラザラである)を考えて、安価で軽い物にして、しかも雪が根雪にならず、次から次と滑りやすいツルツルの素材にしたらどうであろうか?昔と違い、例えばNASAでは開発の更なる改良段階でたくさんの新素材が生まれているが、いま知恵を搾れば、この難題は解決するのではないだろうか?……屋根の裏側にヒ―タ―の配線をする案は既に考えられているが、価格が高く電気代がかなりかさむというので人気はない。むしろ、屋根の素材そのものに画期的なのが開発されれば、それを考えついた会社は、或いは人は大成功必至であるに違いないが如何であろうか。……読者諸氏よ、小学生のような発想だと笑わないで頂きたい。私はけっこう熱くなっているのである。
……さて、実は今回のブログのメインの主題は、前述した屋根ではなく、実は「バックパック」である。日本ならまだしも海外に行くと、たくさんの旅行者が盗難の被害に遭っている。背中に背負ったバックパックのファスナーやジッパーが外されて、中の現金やパスポ―トが抜かれるという被害が後を絶たない。……ヨ―ロッパでは中世から泥棒の学校があると言われる程に盛んであり、その技が巧みである。しかし、性善説を信じるかのように、特に日本人は無防備、無警戒であり、バックパックやカバンから抜きとられる被害が実に多い。……以前にANAの機内誌『翼の王国』の編集部からの執筆依頼でパリに取材に行った際に、ズボンの後ろにしまった私の財布が丸見えであった。空港でそれを見た現地のコ―ディネ―タ―の人から「北川さん、それ間違いなくやられますよ」と言うので、私は「大丈夫ですよ。私の神経の張りは普通じゃないですから」と笑って返したら、「彼らは手品師のような技を持っているのよ」と言われたので「確かに!」とすぐに考え直して、財布を服の下に入れ換えて、事なきを得た事があったが、私がよく行くブロカント(骨董市)では、背負ったバックパックに「もしや……」の神経がいって十分に楽しめない。私は今まで全く無事であったが、バックパックから抜かれた人達をずいぶんと見て来たものである。
ここ数年来、私はカバン店に入る度にバックパックで探している物がある。……それは、両肩に背負って、背中に面して接する側(つまり、バックパックの裏側に中の荷物を出すファスナーが縦に長く入り、目に見える表側には、見せかけのファスナー〈つまり、ダミ―〉が幾つか細かく付いている)バックパックである。海外に行った際に必要なのは、お洒落なデザインでなく、実践的な防御に徹した物に限るのである。そういうバックパックがあれば、受難からも免れる可能性が高く、またスリがバックパックの表側のファスナーをそっと開こうとしても開かない光景を考えることは愉快なものである。…………そういう実戦的なバックパックがないかと探しているのであるが、これが全く見当たらない。お洒落なコ―ナ―でなく、専門のトラベル用品の店に行っても皆無である。……海外の旅に詳しい友人達に聴いても、見たことがないが、あったらぜひ買いたいね!……それは海外の旅の経験が深い人達ほど間違いなく売れるよ!と言うのだが、なぜか皆無である。だから、私はこのブログで提案するのであるが、このブログを読まれた方で、即、行動力があり、またまとめて現金収入が欲しい人がおられたら、私がいまブログで書いたバックパックの形状内容を幅広く詰めて書いて、すぐに「実用新案登録」の申請登録を先ず固めて、次に「実用新案技術評価書」を取得し、権利を固めてから、カバンの企業に持ち込んで、個数による印税でなく、そのアイデアごとまとめて売れば、「ここに早めの春来る」かもしれないのである。……先行しての出費のリスクもなく、やってみる価値はあるかと思う。ただし、間違っても弁理士に相当の代価を払って「特許申請」の方向性はやらずに、商品の意匠に関する「意匠登録」の方向でやってみて頂けると慶賀かと思います。「そんなに良い話なら何故、自分でやらないのか!?」というご意見もありますが、私は、オブジェの制作に没頭の日々であり、もともと現世欲が薄く、ただ、私は出来上がったそのバックパックが欲しいだけなのであり、毎回、私のブログを読まれている方々への感謝プレゼントのつもりで、今ここに書いている次第。……「へぇ~」と読み過ごすもよし、「おぉ、一丁やってやるか!!」もよし、とにかく私は、海外での見物や撮影に集中したい為にそういうバックパックが欲しいのであります。……先日、用があって新宿に行った際に、あるデパ―トのカバン売り場の人に、「……こういうバックパックは無いだろうか?」と話したら、実に驚き、「全く発想していなかったアイデアですが、それは売れる可能性が高いですね。私が買いたいくらいです。……さっそく会議に提案してみます!」と言っていたので、動き出しているかもしれないが、このアイデアがかなり的を得ている事だけは、何人かに話した直の反応から手応えは十分である。この世は実に夢うつつ。遊び心と本気を入り混ぜて、試しに動いてみるのも一興かと思います。