風立ちぬ

『死にかけていた私』

…前回のブログをアップした後、数日して突然喉が腫れ上がり、声も全く出なくなり、みるみる体調がおちていった。近くのクリニックでインフル、コロナ、風邪…を検査したが何れも陰性。制作の過労で免疫力が落ちているところに何かのウィルスが忍び込んで来たのか。…困ったのは夜中の咳である。一晩中止まらず咳こみ、肺が、そして心臓が白旗を用意しているのが直感でわかる。脈拍がもはや弱い。…2才の時に百日咳をこじらせて危篤で死にかけて以来、気管支が弱く、いわばこれが慢性の私の基礎疾患のようなもの。

 

…深夜に咳き込んでいた時に、ふと思い出した事があった。今から30年ばかり前に占星術師の女性の友人に「私の死ぬ時と死因が何か、前もって知っておきたいので教えてほしい」と興味津々で訊いた事があった。…彼女は既にそこまで独り占いで視ていたのであろう、「北川君が亡くなるのは2024年、死因は気管支の急変」と即答してくれたのを思い出した。…最初に聞いた時は「まだ30年先かぁ、まだまだだな」と思ったのだが、…ふと気がつくと、正に今がその2024年。…そう思った瞬間、天井の上から大きな黒い布のようなものがサァ~っと落ちてくるようで何かに捕まえられているような感覚が…。……ちなみに彼女には、私が気管支が弱い事などは一切教えてはいない。

 

…(そうか、いよいよ今夜…私は逝くのか!?)…そう思うと、最近亡くなった何人かの友人が傍にいつからかやって来ていて、静かに座って私を視ているようで何だかひんやりと静かである。……最後の手段として、熱い首回りに、まるで冷凍庫のようにアイスノンをどっさりと載せると、咳が収まり、いつしか眠りに入って、やがて朝が来た。

 

 

 

 

…私は生きていた。…とりあえずの生還ではあったが、しかし私は覚えている。……占星術を専門にしているその女性は、幽霊船が漂着するように横浜港に、感染者を乗せて寄港したあの時の不気味な日より遥か数ヵ月も前に、私にちかじか世界が大変な事になると予見していたし、またコロナが不気味な拡がりを見せ始めた初期の段階で、このパンデミックのいちおうの終息には最短でも4年はかかると断言していた事を。

 

それらがみな当たっていた事を思えば、この度の生還に安堵するのは未だ早い。…あと半年、2024年は残っているので、心の準備だけはしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

…そういうわけで、今日もブログ愛読者の方々に面白がって読んでもらい、気分転換になれば…と、思っていざ机の前に座ったのであるが、10日間以上床についていた為に、かなり体力がおちているらしく、普段のあの集中力の冴えが無い。気分は『風立ちぬ』の堀辰雄のようなものである。

 

 

 

 

 

……次回、体力気力が復活しての第一弾は、その占星術の人との数奇な出逢い、またビシバシと次々に当たっていったその実例に対して、占星術や手相占いに真っ向から否を掲げて挑んだ織田信長レオナルド・ダ・ヴィンチの知られざる逸話をご紹介する予定です。題して『占星術vs実証主義的人間』。…乞うご期待。

 

 

 

 

 

 

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