八甲田山−死の彷徨

『目前に迫った三つの個展』

新年あけましておめでとうございます。今年もメッセージのご愛読を宜しくお願いします。

 

さて、2011年の幕明けは寒波で始まった。鳥取までも含めた日本海側は久しぶりの大雪である。私が生まれた福井もかなりの積雪であるらしい。しかし、昔はもっと凄かったと記憶している。田んぼの真ん中にある小学校を目指して集団登校の私たちは進むのであるが、上からではなく、横なぐりに降る雪の激しさで、視界はかすんで全て灰色。目の前にいる数人以外は何も見えない。ただ勘だけを頼りに、小学校が在ると思われる方向を目指して進むのである。この状況を詩的に言えば、フェリーニの映画「アマルコルド(私は憶えている)」の世界。リアルに言えば、映画「八甲田山−死の彷徨」のようなものである。自分で言うのもなんであるが、粘り強い性格は、この体験で養われたように思われる。しかし情緒もくそもない凄まじい吹雪の中で、小学生の私は早くもこう思ったものである。「一刻も早くこの土地を出よう−−−」と。

 

今月の17日から茅場町の森岡書店で個展〈千年劇場−−−ヴェネツィアの「逃げる水」を求めて〉が始まり、2月7日からは、恵比寿にある二つのギャラリー(同じビル内に隣接している)で、二つの個展「十面体−−メデューサの透ける皮膚のために」と「リラダンの消えた鳥籠」の開催が予定されているので、今その制作に追われている。これらの個展を企画された三人のオーナーの方々は、センスの高さに加え、強度に洗練された美意識を持っているので、そのハードルの高さが、私を追い込んでいくのであるが、これは表現者として理想的な形だと思う。各々の個展の詳細は追って又、お知らせします。

 

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