『会場にて』

六本木の東京ミッドタウンで開催中の「Tokyo Photo 2011」に行く。アイデア先行の写真、現代美術として見せる為の見せかけのようなディスプレーが目立ち、作品それ自体が強いイメージを持った写真がほとんどない。「私もそろそろ写真だけの作品を組んだ写真集を出したいものだ・・・」と思いながら、自分の個展会場へと向かった。

 

会場に居ると、筑摩書房の編集長の大山さんが来られた。企画出版の話を頂きながら、制作に追われて未だ着手していない書き下ろし原稿の執筆を促される。この本は刊行すれば、間違いなく話題作となる切り口のものである。「東日本大震災の時の津波のすさまじい描写から始めます。」と大山さんに話す。構想は既に出来ている。年内にダ・ヴィンチを書き終え,その後、ゴッホコーネルムンクマン・レイ・・・・といっきに書こうと思う。

 

 

 

 

大山さんに続いて、沖積舎の沖山さんが来られた。沖山さんは、私の最初の版画集をプロデュースして刊行された方である。会場を一巡した後、写真「ヴェネツィア – 千年劇場」を購入された。そして、私に「すぐに写真集を出しませんか!?」と切り出され、私を驚かせた。既に沖山さんの頭の中では本の構想が出来ているらしい。再び言うが、私は驚いた!!。何故なら、その日の午前中に「自分の写真集」の事がふと浮かんだからである。予知は私の場合度々あるが、今日また、それが出たか!!。勿論、沖山さんに快諾の意を告げる。

 

 

 

 

沖山さんに続いて写真家の川田喜久治さん来廊。私のポートレートを会場で撮られる。かつて川田さんは、三島由紀夫の終末の姿を予知するかのような、三島の異形なポートレートを撮られた凄腕の人。撮影されながら、自分の魂が間違いなく吸われていくのを実感する。拙宅に川田さんから写真が届くのが楽しみである。個展は10月10日(月・祝)まで続く。まだまだ、これからである。

 

 

「球体玩具考」

 

 

 

 

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