『二つの個展・同時に始まる』

6日から銀座の画廊香月と茅場町の森岡書店で私の個展が始まった。今まで何十回と個展を開催して来たが、同時開催というのは初めてである。画廊香月と森岡書店は共に二年ぶりの個展。画廊香月の個展のタイトルは『百の断片― ベッリーニの計測される二つの感情』、森岡書店は『ヴィラ・ビスタの鳥籠の中で』。共に私の現在形を映した新作を発表しているので、ぜひ御覧頂きたい個展である。

 

二つの個展会場はどちらも個性的な空間であるが、共通しているのは昭和初期に建てられ、どちらも東京が帝都と呼ばれていた頃のレトロモダンな趣に充ちているという事であり、それが私の作品に通底しているミステリアスで時間が停止したようなイメージの世界と不思議に絡み合ってくる事である。ゆえにどこまでが現実で、どこからが虚構の世界なのか、…… その境界が不分明的であり、訪れた人を一刻の間、虚構が現実を領している世界へと引き込んでいくようである。

 

会期は、画廊香月の方は4月25日(土)までの三週間(13時~18時30分迄。水・日のみ休廊)、森岡書店は4月18日(土)までの二週間(13時~20時まで。日のみ休廊)である。4月に入り、光降る暖かな時節が到来した。この機会に御覧頂ければ幸甚である。

 

〈画廊香月〉

〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目9−8 奥野ビル605

電話:03-5579-9617

〈森岡書店〉

〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2丁目17−13第二井上ビル305

電話:03-3249-3456

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