『いざ鹿児島へ……』  

先日、名古屋のSHUMOKU GALLERYで開催されていた個展「危うさの角度」が盛況のうちに終了した。オ―ナ―の居松篤彦さんとは初めての個展の試みであったが、実際に数日間滞在した事で、予想以上の閃きがあり、次の個展に向けての様々な手掛かりを覚える事が出来た。私は、個展の会場となる各々の画廊の空間の特質を重要視しているが、居松さんの画廊は1階と2階で構成されるという特異な構造から出来ている。この特質性を生かした個展のテ―マを創造的に立ち上げる事が、今の私の緊急の課題なのである。ただ単に作品を分けて展示するのでなく、何かそこに艶やかな着想に基づいた、意表を突くような驚きを孕ませたいのである。………………さて、今年もあと1ヶ月で2016年が終わろうとしている。今年は、3月のぎゃらり―図南(富山)での個展から始まり、次に慌ただしい中での撮影の旅があり、4月にギャラリ―香月(東京)、そして9月に今度は長期のブリュッセルとパリの撮影の旅を断行し、帰国してすぐの9月末から10月中旬までは高島屋の美術画廊Xでの個展、そして休む間もなく11月初旬から名古屋、SHUMOKU GALLERYでの個展と続いたが、今年の最後に、今月の6日から11日まで、鹿児島での初の個展が開催されるのである。

 

会場となる画廊の名は「レトロフトMuseo」。築70年以上の文化遺産的なビルで、まさしくレトロにしてモダンな趣のある鉄筋建ての建物の2階にある画廊。……空間がかなり広く、オブジェ、版画、コラ―ジュ、写真をゆったりと展示する事が出来た。オ―ナ―の永井明弘さん・友美恵さんご夫妻は、不思議なご縁でミラノで出会われたという経緯があり、ご主人はそのミラノで造園デザインを学ばれているので、今回の個展のタイトル『狂った方位―エステ荘の南の庭で』は実に相応しい。しかもご夫妻は実際にロ―マにあるエステ荘を訪れられているので今回の個展は虚構と現実が錯綜している。……今年の2月にはヴェネツィアへの旅に行かれたが、宿に選んだペンショ―ネ・アカデミア(19世紀の旧ロシア領事館の遺構)は、25年前に私も長期で泊まった思い出の宿であったが、展示作業の間に話された、そこで体験された興味深い話は、私の次なる作品のイメ―ジに直結してくるものがあった。…………私の作品の背後にある画廊の窓からは、昭和初期に建てられた銀行の趣のある姿が重なって、まるで1930年代の上海か大連にいるような観があり、作品が呼吸をしているような生気を帯びて見えてくる。……私の作品は九州では、熊本市現代美術館大分県立美術館に収蔵されているが、この鹿児島のレトロフトMuseoでの個展を契機にして、もっと多くの九州の方々に私の作品を観て頂ける事を願っている。

 

 

 

 

 

レトロフトMuseo

鹿児島市名山町2―1 レトロフト千歳ビル2F

TEL099―223―5066

 

 

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