ポエジー

『23日(日)まで開催中』

前回のメッセージで記したとおり、今月の23日(日)まで、東京の日本橋の不忍画郎で、『名作のアニマ ー 駒井哲郎池田満寿夫・北川健次によるポエジーの饗宴』が開催中である。先日の10日(月)に読売新聞の文化欄で大きく紹介された事もあり、たくさんの来廊者で賑わっている。30点近い新作のコラージュ作品や版画も、縁ある方々、高い美意識を持った方々との出会いを通してコレクションされていっている。今回の展覧会で、初日の最初に私のコラージュ作品をコレクションされたのは、寺山修司と共に60年代〜70年代の、時代を過激に演出してこられた、パートナーで女優・プロデューサーの九條今日子さんである。「寺山が生きていたら、間違いなくあなたの作品を気に入るに違いない。」という九條さんの評は、私を大いに高めてくれる。何よりも天才歌人であった寺山修司。短歌もまた言葉による(磁場を帯びた)コラージュ表現である。三島由紀夫と共に、私の表現の核に棲まう本物の才能を持った人物である事に間違いはない。

 

新聞でも、「美術作品が持つ生命・魂」と題して書かれているが、〈池田の版画は国際的名声を得た60年代の「落書き」風と違い、古典的な静けさの中に詩心を宿す。〉と評され、又、駒井氏の版画も、その深い陰影をたたえていると評され、〈明るく表層的な表現があふれる今日、美術作品から見失われたアニマ(生命・魂)や詩心を問い直す展覧会〉というふうに、本展の骨子が的確に紹介されている。強度なポエジーある作品を求めておられるコレクターの方々、表現すべき方向を見出せないでいる若い美術家たち、・・・・その他、多くの美術を愛する方々にぜひ見て頂きたい、この展覧会である。

 

会場内ディスプレイ

会場の不忍画郎にいた私は、最新作の自作のコラージュを見ていて、詩を書きたい衝動に駆られてその場で数点の詩を書き上げ、それも各々の作品の横に展示されている。今回の私は、あまり画廊には行かないつもりでいたが、本展を最後にしばしの沈黙(充電)に入る事もあり、なかなか親しい方々とも御会いする機会がないので、結局、23日まで毎日、画廊にいることになった。今回も又、多くの出会いが待っている。

 

 

駒井哲郎(上:「果実の受胎」下:「鳥と果実」)

 

池田満寿夫「メラグラーナ」(西脇順三郎との詩画集)より

 

北川健次『鳩の翼 - ヴェネツィア綺譚』

 

北川健次「幾何学の夜に」(銅版画・部分)

 

北川健次「拉致される貴婦人のいる室内楽」

 

北川健次「FROLENZの赤い石榴」

 

 

北川健次・オブジェ作品(部分)

 

北川健次・オブジェ作品(部分)

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『個展がまもなく終了』

画廊香月での個展も残り数日(27日まで)となった。今回の大きな成果は、今までに私の作品をコレクションされている方々に加えて、未知の方がかなりの数で、私の作品と直接出会い、コレクションされていっている事である。昨今の、存在感の薄い作品を作る作家が多い中で、「芸術は美と毒と深いポエジーを併せ持った強度なものでなくてはならない!!」という私の信条と、画廊香月のオーナーである香月人美さんの理念が一致しているせいか、この画廊を訪れた方の多くが、その事を理解しており、実に手応えのある個展になっている。今回の個展を勧めて頂いた先達の美術家の池田龍雄さんも時折、画廊に来られて成り行きを見守って頂いている。本当に有り難い事であるし、私は池田さんと御会いする度にとても良い波動を頂きプラスのエネルギーとなっている。昨年の秋から数え、七ヶ月で七回の個展を開催して来た。たいていの作家が、決められた、たった一つの画廊で二年に一回のペースで個展をやっている事を思えば、ギネス入りのようなペースで駆け抜けて来たわけであるが、この画廊香月での個展を節目として、しばらくは個展は行わない。「風林火山」ではないが、動く時は疾風のように駆け抜け、静まる時は無明に見る山影のごとく、全くの静まりの中へと私は入ってしまう。すなわち次に備えての、というよりも、次なる未知のイメージの領土に向かって行く為に、感性を研ぐのである。とは云え、個展は行わないが、五月は詩画集の刊行記念展(森岡書店)、六月は『名作のアニマ –  駒井哲郎池田満寿夫・北川健次によるポエジーの饗宴 』(不忍画廊)が続いて予定に入っている。

先日、早稲田大学の近くで、思潮社の藤井さん、装幀の伊勢さんと集い、詩画集に入れる作品の色校正の最終チェックを行った。実に美しい仕上がりで、今月末の完成が待ち遠しい。また不忍画廊では、六月の展覧会と合わせたように駒井哲郎氏の名作が集まり、池田満寿夫氏の作品は、普段はあまり見る事の出来ない、西脇順三郎氏との詩画集の名作『トラベラーズ・ジョイ』が展示される予定になっている。駒井・池田・両氏のポエジーの在りようは異なるが、各々に銅版画の権能において極を究めたものである。なかなか見応えのある、昨今に類のない展覧会になるであろう。

 

話は戻るが、画廊香月での展示は、香月人美さんのアイディアで、(壁面に、まるで映画などに登場するイギリスの館の壁面に夥しく掛けられた絵のごとく、)作品が全面に展示されている。私も以前から密かに一度はやってみたいと思っていたこの展示法を、遂に香月さんは断行し、今までになかった効果を上げてコレクターの方にも好評である。どの作家にも出来るという展示法ではないが、私の作品においては非常に画期的な良い効果を上げていることは確かである。そこから考えて、私のイメージの特質もまた見えて来ようかと思う。ともあれ、個展はしばらくは封印となる為に、まだ御覧になっておられない方には、ぜひ御覧頂きたい今回の個展である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『鏡面のロマネスク』

日本橋の高島屋本店での個展が、かつてない大盛況のうちに終了した。多くの方が見に来られたが、十代から八十代までの幅広い層に作品が支持され、多くの作品がコレクションされていった。〈現代美術〉と称しながら、内実は弱く、完成度も全く無い現況の美術界に対する厳しい批評が、例えば私の作品を支持する形になったと思っている。ポエジー、文学性、毒、エスプリ、色彩表現の深度、ミステリー性,完成度の高さ,・・・・その他、視覚芸術に様々な人が求める多面性が私の作品には含まれているという確信が私にはある。以前にも書いたと思うが、自分の作品の前で、見る人の視線を一秒でも長く引きつけていたいというのは,表現者にとっての本能的な気持ちであり、作品の質が明らかに問われる形でもある。そしてその事を思いながら今回の個展会場での観客の動きを見ていると、実に長い時間をかけて、年代は関係なく、私の作品との静かな対話をされている姿が目立った。やはり、誰もが深い感受性を抱いており、その眼は正直なのだと思う。来年の個展の話も早々と決まった。次回はまた、よりハードルを高めた新しい試みに挑みたい。

 

個展が終って休む間もなく、次は福井県立美術館での個展に頭を切り換えなくてはいけない。そして今日、美術館の野田氏からポスターとチラシの案が送られて来たが、これがなかなかハイセンスな仕上げになっていて、私を驚かせた!!展覧会名は『北川健次展 KENJI-KITAGAWA – 鏡面のロマネスク』。私がお願いしたウンベルト・エーコの「虚像の中に落ちるためには、ただ一枚の鏡の表面をゆがめるだけでよい。」の文も入っている。このセンスでいくとカタログの出来も多いに期待が出来る。またこれからもメッセージで、展覧会に関する新たな情報をお送りしたいと思う。

 

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