直線で描かれたブレヒトの犬

『大規模な個展、16日まで開催中』

前回のブログでもお知らせしたが、東京日本橋高島屋本店6F・美術画廊Xで、今月の16日(月)まで個展『直線で描かれたブレヒトの犬』を開催している。日本では最大級の画廊空間なので、80点近い新作が一堂に展示されている光景は確かに圧巻である。…今年はコロナ禍の影響もあり、銀座などの画廊は人が来ないという話を聞いていたので少し案じてはいたが、それは杞憂にすぎなかった。こと私の個展に限っては初日から来客が多く、遠方からも遙々来られ、じっくりと個展を楽しんで行かれる方が多い。また会場が広く換気は完璧にされているのできわめて安心である。ために画廊に人が耐えた事がなく、実に盛況である。……7月に高島屋美術部の福田朋秋さんがアトリエに来られ、未だ制作中の作品を観て、「更に深化している」という感想を話されたが、その予見通り、個展に来られたコレクタ―の人達、美術館の学芸員諸氏の意見も同じく、今までの私の個展で、今回の個展が完成度の高い作品が一番揃っているという意見が圧倒的に多い。その事を映してか、今までコレクションされる作品を直感、速決で決めていた人達も、今回の個展では会場を何回も廻られ、真剣勝負で作品を選ばれていく姿は、作者として、今までの個展以上の手応えを覚える光景である。そして、作品を一点選ぶのではなく、複数の作品を購入されて行かれる方が今回は実に多い。また初めて私の個展に来られた方も多く、会場内に作品各々が放っている強度なアニマに押されて直の反応を見せ、作品を購入し、新しいコレクタ―になる人が増えているのが、今回の個展の特徴である。……自分の中に在る様々なイメ―ジの引き出しを全開するようにして制作に専心して来たのが、今回の作品の評価に繋がったと思っている。……表現とは、全てが表に出て顕になるという意味だと私は解している。それは隠しだてや嘘が通じない実に恐い事であり、故に真剣勝負でやれば、打てば響いて形に成るという、実に遣り甲斐のある事なのでもある。……そしてその厳しい世界に私は生きているのである。

 

……個展の会場で、来られた方々の拙作を観る様子を見ていると、「美術はこうだ!」と限定して考えている人達は、もはや美術の域を越境した私の作品の極めて独自な表現構造に戸惑いを覚えるようであるが、足を永く停めてじっくりと観ている人達は、ただ眺めて鑑賞するという域を越えて、作品を通して自身と向き合い自問するという「観照」の域に入り、真剣勝負で作品と対峙しているように思われる。……昔、池田満寿夫さんは「自分の作品の前で、人々がどれだけ時間をかけてその作品を観ているか、その長さが最高の批評だよ」と私に言ったが、時折、その言葉を実感を持って思い出す事がある。作品とは、言葉の正しい意味において本質的に匿名である。しかし、情報化が進んだ今日、多くの人々は、作者の名前に縛られて、作品の本質(芯)に自在に入り込んで来る人は案外に少ないかと思われる。……その意味でも、私の作品の前で長い時間をかけてじっくりと観ている人達の姿は、何よりの手応えある光景なのである。

 

 

 

 

 

 

 

個展は16日(月)までなので、残り一週間になった。遠方からも旧知の方々が来られて嬉しい再会を果たしているが、新しいコレクタ―の方が増えたのも、また今回の個展の嬉しい成果である。……ともあれ、残り一週間、意味深い貴重な時間が流れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『大規模な個展―日本橋高島屋にて始まる』

 

 

先月の28日から11月16日(月)まで、日本橋高島屋本店6階の美術画廊Xにて、大規模な個展『直線で描かれたブレヒトの犬』が始まった。展示作業は27日の午後から始まったが、早くも問い合わせや事前の作品購入の申し込みがあり、嬉しい手応えを覚えた。今回の個展は全作品がオブジェ作品の展示という、今までになかった形なので作者としても実に壮観である。長年私の作品を担当して来られた高島屋の美術部の人達、また来廊されたコレクタ―の人達が揃って、今回の個展の出品作品が全作クォリティ―が実に高いという意見や感想を言われるので、1月からこの個展制作に打ち込んで来た事が報われる想いである。先ずは作品の一部や会場風景を掲載するが、出品総数は80点近くあるので、ここに掲載した作品は、そのほんの一部にすぎない。またガラス面の反射が映っている画像もあるので、作品の内奥に孕まれているイメ―ジの核がブログではしっかりお伝え出来ないのが残念であるが、個展期間中に度々お伝え出来ればと思っている。

 

……直線と曲線という相対するものが、同義語と化す瞬間ははたしてあるのか!?もしあるとすれば、その刹那に立ち上がる物語りの発生があるとして、はたしてそれは如何なるイメ―ジの原器としての様相を見せて来るのか!?……そのような仮定から、今回のタイトル『直線で描かれたブレヒトの犬』は立ち上がった。直線という、私の資質の源泉に棲まうオブセッションと偏愛が、今回の出品作品の殆どを領しているのである。(次回に続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『個展開催のお知らせ―日本橋高島屋.美術画廊X』

いよいよ秋がその深まりを見せて来ているが、今月末の10月28日から11月16日までの3週間、日本橋高島屋本館の6階美術画廊Xで、私の個展が開催される予定である。個展のタイトルは『直線で描かれたブレヒトの犬』。……このタイトルは、今年の1月に、正にインスピレ―ションのように突然閃いたものである。正に降りてきたようにして閃いたこの謎かけのような言葉の連なりの中に、現在の私と、新しい切り口としての表現の新たなる展開が、かなり濃密に秘められていると見ていいだろう。タイトルが持つ象徴性と暗示の孕みの中に、未生のイメ―ジが逆巻いているのである。………そうか、今の私は、このタイトルの中にいるのか!!……私は自分を分析し、そしてこのタイトルに決まった時点から、新たなる制作が堰を切ったように始まった。

 

今回の展示では、80点近い新作の全てがオブジェである。1月から9月までの9ヶ月間(約270日)で約80点。今までこのブログで書いて来た向島、本郷、谷中…他を巡る記述以外の日々は、アトリエに籠っての制作の日々が続いた。そして、新作の全容がようやく見えて来た7月の末に、高島屋の個展で10年以上前から、私の確かなるアドバイザーとして全幅の信頼を寄せている高島屋美術部の福田朋秋さんがアトリエに来られ、「今回の新作は、更に深化を増している」という率直な感想を頂いた。のめり込んで制作に没頭していると、次第に闇の中に入り込んでしまい、時として意識が凪のような状態に入ってしまう時がある。10年以上前からのお付き合いをして頂いている福田さんは、毎回の個展でいつも絶妙なタイミングでアトリエに来られ、凪に清冽な風を入れてくれるのである。

 

……この時点で先ずは一つの区切りがつき、個展案内状の為に掲載する作品の撮影が先ず行われ、求龍堂の深谷路子さん、デザイナ―の近藤正之さんが構成に加わり、現在の制作に関しての福田さんの執筆が加わって、案内状の形が漸く見えて来るのである。私はかなりこだわるので、今回は色の校正だけで3回の確認と変更が行われた後に校了となり、間もなくそれは完成する。……個展が近づいた今月20日過ぎ頃のブログでは、出来上がったこの案内状を全面的に掲載したいと思っているので、愉しみにして頂けると有り難い。

 

……つい先日くらいまで猛暑の日々であったというのに、台風が秋を運んで来るのか、気がつくと、既に晩秋の気配である。……個展まで残り20日間くらいとなった。しかし、作品の完成への詰めが未だ残っている。最後まで気は弛められないのである。……画廊としては、おそらく日本最大の空間である美術画廊X。この緊張感の漂う硬質な空間は、私にとっての謂わばフィクショナルな〈劇場〉である。『直線で描かれたブレヒトの犬』、果たして如何なる展開になるのか、……乞うご期待である。

 

 

 

『直線で描かれたブレヒトの犬』

日時:10月28日( 水)〜11月16日(月) 10:30~19:30

場所:日本橋高島屋.美術画廊X(本館6階)

お問い合わせ:美術画廊 直通TEL (03)3246-4310

 

 

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