月別アーカイブ: 6月 2011

『君は、お遍路に行くの か!?』

無能、無策といわれていた菅総理が、最後になって思わぬ能力を見せている。権力保身のための〈粘り腰〉に周囲が情けないことに押し切られているのである。かつて市川房枝からの薫陶を得た若者として政界に参入した時、この男には艶があり、華があった(と見えた)。しかし今や、「権力は人を腐らす」の言葉どおりの末路を辿っている。「気のないタヌキは目でわかる」というが、この男の目には、自分への自信の無さがありありと現れている。粘り腰は政治家に必須の一つであるが、この男のそれは質が違う。ただの駄々っ子のそれであり、理念を欠いた自己愛ゆえの妄執に過ぎない。もはや完全なる「裸の王様」。忠臣不在は哀れな喜劇に過ぎないが、この日本の非常時に在っては大きな人災である。この人災の大きさは福島原発における東京電力のゴテゴテの無策と並んで悲惨であり、その罪は甚大である。

 

さて、菅直人は総理を退いた後に何をやるか?おそらくかつてパフォーマンスを演じた四国88カ所の残りの(お遍路)を歩くのであろう。カメラの前で、意地の笑顔を演じながら。しかし四国路の秋に一陣の風が吹き、この男にもそれが流れる時、この男の胸に去来するのは何であろうか。・・・・・それは砂を噛むような虚無の感覚ではないだろうか。そして、実感するのは、権力と云うものが真にイリュージョン、一人称の錯誤にしか過ぎない虚しさに充ちたものであるという事の、身を切るような実感であろうと思われる。・・・・・間違いなく。

 

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『ネットギャラリー開設のお知らせ』

自分の写真作品がコレクションされていくために、写真家たちは様々な発表の仕方をしている。勿論、各々の方法は自由である。ただ、その自由な発表の中で疑問に思っている事が一つだけある。それは限定部数を極力少なくして、写真一点に数百万もの価格を付けるというやり方である。

このやり方だと、本来、版画や写真が持っている複数性ゆえの可能性、つまり、より多くの人に普及していくという特性を自ら閉ざすものがあり、美術館や限られた人にしかコレクションされず、感性が豊かな若い世代を含めた広い層には手が届かなくなってしまう。そこに私が覚えるのは,不自然な歪み感である。版画や写真といった複数性を持った芸術には、発表当初の適正な価格がある筈であり、作品が良ければ、それは作品本来が持っている力で支持され、人気が高まり、自然発生的に評価は上がっていくものである。(先日書いた、写楽デューラーなどがそうであったように!!!)

 

私事を記せば、私は複数性と芸術性とを絡めた独自なものを自主的に刊行して行く為に、十年以上前にEDITION PRESS STUDIOなる版元を自ら立ち上げ、出版企画、そして版画集を六種類作り、全てを完売して来た。発売当初の価格を低く設定した事で、十代から八十代までの幅広い世代層に購入して頂き、新しいコレクターの広がりにも繋がった。私のこの考え方は、複数性の原理に即した、最も自然な流通法であり、版画や写真史の盛衰のドラマを詳しく分析した結果であると思っている。

 

作品の発表当初の価格を、誰にでも手が届くところに置いているのは、作品に対する自信が無いからでなく、むしろ、その逆である。将来、確実により評価されていくという強い自信があり、事実、そのような作家としての歩みを着実に独歩するように、刻んで来ている。これは、私のひそかな誇りである。

 

私は版画には限定番号は記しているが、写真には、木版画家の棟方志功が信念としてそうしたように、限定番号は入れず、低価格に抑えた所から出発していこうと思う。先ず何よりも、より広く人々にコレクションされていく事が重要なのである。

写楽、デューラー、そして棟方たちは作品に限定番号は記していないが、その価値は高く、今では容易に手に入らない所にいってしまっている事が、その実証である。

 

今回私がかく記しているのは、そのような理念に立って、発表している画廊の地域以外の方で私の写真作品を直に見れない方、又、コレクションを欲しても遠方に在って入手出来ない方に向けて、ネットギャラリーを開設したからである。美術は音楽に比べて遥かにポピュラリティーが無いために、作品世界を享受してくれる人がその先にいても、そこまでは情報が届かない実に閉ざされた世界なのである。ランボー研究の第一人者であるJ・Colas氏が私のランボーの版画を見つける事が出来、ピカソミロ、そしてジャコメッティ等と共に評価してもらい、パリでの展示が実現したのも、ネットの存在があったからこそ、幸運な出会いが実現したのである。「遠方にいるために作品をコレクションしたくても出来ない。何か方法を考えて欲しい・・・」そういった内容の手紙やメールを受けて、ネットギャラリー開設の為に、準備を始めたのは一年前であり、ここに来てようやく立ち上げる運びとなった。作品を介在としての私と、私のイメージを共有してくれる人との強力な出会い。私は更なる出会いを求めて、これを期に挑戦を続けていきたいと思っている。

 

 

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