『富山・ぎゃらりー図南②』

先月の話であるが、新しく出来たポンピドゥ・センター別館をフランスで見て来られた画家のNさんが、高島屋の個展会場に来られ、私の新作オブジェを見て、興奮気味に「あのセンス抜群の空間(ポンピドゥ・センター別館の事)で、日本人で勝負出来るのはあなただけだ!!」と語ってくれて、その場で迷わずに三点のオブジェを購入された。Nさんがフランスに滞在していた時、実は私の作品がパリ市立歴史図書館で開催中の『RIMBAUD MANIA』に招待出品されていたのだが、私はうっかりNさんにその事を知らせていなかった。Nさんは悔やんだが、その展覧会を見て来られた何人かの知人からは、私の作品がピカソジャコメッティよりも良かったと、感想を告げて頂いた。筆一本の生き方をしている私にとって一番、自信と支えになるのは、そういう評価を頂いた時である。

 

先日、富山のぎゃらりー図南を初日に訪れた時、既に私の作品には早くも、購入を決められた印の赤いシールが幾つか付いていた。美術市場は低迷し、若い作家(?)は、お絵描きのような軽い絵を描いてぶれ続けているが、そのような軽い傾向には目もくれず、オーナーの川端さんの眼と信念は全く揺るがない。そして、この画廊に来られるコレクターの方々も、自分の確とした美意識を持っている方が多くおられ、私は再会を楽しみながら、本音で話し合うのである。かつて池田満寿夫氏は「我々のような作り手にとって、最大の批評は言葉ではなく、作品がコレクションされる事である。」という名言を語ったが、それは実感のある至言である。連載中の原稿の締め切りがあるために、富山での滞在は短かったが、帰途の車中に於いて、又、横浜に戻ってからも、川端さんからは、新たに作品がコレクションされた事を知らせてくれるメールが次々と入り、私を驚かせる。自分が作り出した作品には絶対の自信を持っているが、それにしても、ぎゃらりー図南の川端さんと、ここに来られるコレクターの方々の感性には凄みを覚えるものがある。確かな作品を作れば、それは必ず確かな人に理解され伝わっていく。−−−−−私の信念もまた確たるものとなってくるのである。最近の歪んだ美術の傾向に対する無言の鋭い批評が、ここ、ぎゃらりー図南には在る。未見の方は、ぜひ訪れて頂きたい希有な画廊である。

 

ぎゃらりー図南
富山市西大泉17-20 第二浜忠ビルB1
会期:11月13日(土)〜28日(日)
AM10:00〜PM6:00 月曜休廊
TEL/FAX 076-492-5850

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