『賀正・2014年』

新年あけましておめでとうございます。

今年もメッセージを御覧いただきたく宜しく御願いいたします。

 

旧年末に軽井沢の美術館から趣のある贈り物が送られて来た。高さ1メートル近い包箱。開けてみるとなんと鉢植えの大きな牡丹であった。私は牡丹の花が好きである。その特異な気を持った牡丹のことを与謝蕪村は題材に取り上げ、およそ27の句を詠んでいる。〈牡丹散りて 打かさなりぬ 二三片〉〈広庭の 牡丹や天の 一方に〉〈山蟻の あからさまなり 白牡丹〉〈方百里 雨雲よせぬ ぼたん哉〉・・・・・。蕪村はいい。そう云えば新年の初日の出を詠じた蕪村のまぶしいことほぎの句がある。〈日の光 今朝や 鰯のかしらより〉

 

今年はさっそく1月から作品の発表がスタートする。東京日本橋の「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」の企画で、『絶対のメチエ ― 名作の条件』展に私の版画を5点出品する事になっている。出品作は他に、ルドン、ヴォルス、エゴン・シーレ、フォートリエ、ルオー、ゴヤ・・・・.日本からは駒井哲郎、加納光於,斎藤義重、長谷川潔、浜口陽三、そして写真家の川田喜久治。展覧会の会期は1月25日(土)から4月20日(日)までと長い。この展覧会については、又、このメッセージにて詳しくお知らせする予定である。

 

さて私は、年末も正月もなく制作に没頭している。3月15日(土)から銀座1丁目にある画廊・中長小西で始まる個展の新作を制作しているのである。中長小西での個展は今回で二回目であるが、オーナーの小西哲哉氏の鋭い美意識を映した空間は、《美》にこだわる私の感性を突いてきて、自ずとテンションが高くなり、新たな試みへの意欲が強く湧いてくる。個展の主題はダンテの「神曲」から想を立ち上げたもので、また私の新しいイメージ展開を御覧いただきたく思っている。今年は久しぶりにイタリアへの写真撮影に行く事も予定に入っているので、昨年以上に多忙な一年になる予感がする。ともかく、新しい一年が始まったのである。

 

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