『銀座・奥野ビル・画廊香月』

出品作品の中に「春雷」をモチーフにした作品があったからでもないだろうが、この二週間は雨が降る日の多い不安定な気候であった。そういう中にも関わらず、九州や四国、また北海道や福島といった遠方からも熱心なコレクターの方が個展会場に来られ、私は本当に感激し感謝している。出来上がったばかりの〈現在形〉の新作を私も見て頂きたいし、コレクターの方もまた、その〈現在形〉の新作を楽しみにしておられるのである。

 

 

さて、個展の同時開催をしていた一方の茅場町の森岡書店の方がようやく終了した。私は連日、森岡書店にいたが、今週からは身体を、銀座1丁目の奥野ビルの六階にある画廊・香月の方に移す事となる。こちらは25日(土)まで開催中であるが、50点近い作品が展示されており、圧巻である。森岡書店の在るビルは昭和2年建立であるが、こちらの銀座の奥野ビルもほぼ同時期の造りで戦災から奇跡的に免れている、貴重な文化財級の建物である。私の作品が持っている、現在でもなければ、過去でもない、不思議な宙吊りになったような時間感覚と、ビルの趣が相乗して、不思議な個展の様相を呈している。22日(水)のみ画廊は休みとなるが、25日までの残り5日間、またいろいろな方との出会いや再会が待っているであろう。制作とはまた異なる貴重な時間が、個展の時には流れている。

 

 

 

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