『4月…日々の制作の中で』

秋の高島屋・美術画廊Xでの個展の会期が、今年は9月28日から三週間に決まった。未だ半年先であるが、既に熱心なコレクターの方々から、早くも会期の問い合わせが相次いで画廊に入っている由。… 個展では常に新しい試みをしているが、今回の個展では、二つの異なった主題を個展の中で絡め合わせると、そこに果たして何が立ち上がるか!?という、誰も今まで着想しえなかった試みを構想中である。個展会場とは、解体する期限付きのイメージの劇場であると私は思っている。この構想、普通の画廊の4倍以上の空間を持つ美術画廊Xならではの試みになるかと思われる。… 乞うご期待である。

 

 

さて、今年の5月に予定されていた銀座の画廊香月での個展が少し早まって、3月29日(火曜)から4月16日(土曜)の会期で開催される事になった。私が最も信頼する美術家の大先輩である池田龍雄さんから、画廊香月での個展をぜひ…というオファーを頂いてから、早いもので今回で三回目の個展である。…映画などで、イギリスの旧館の壁面に絵画や写真が隙間なく飾られているビクトリアン風な場面を見かける事があるが、画廊香月での展示はそれに近い。…そこに私の作品各々が持つ虚構のアラベスクが紡ぎ出している特異な世界が濃密に絡み合って、全体に名状し難い何とも不思議な空間が立ち上がる。… これが画廊香月での個展の最も大きな醍醐味であろうか。…とまれ、このブログがアップされる時には、私はパリで撮影に没頭している頃である。今回はその為に、このサイトの共同制作をして頂いている音楽家の鈴木泰郎さんにアップを依頼した次第。ベルギーのテロの次なる目標はまたしてもパリであった由。…不穏な風がそこには吹いているらしい。私の運が良ければ、画廊香月での個展は遺作展になる事はないであろう。…不穏なる風立ちぬ、されど、いざ生きめやも…である。

 

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北川健次詩集『直線で描かれたブレヒトの犬』
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