『水銀質の危うい戯れ』

今回の個展では、水銀を使ったオブジェも出品している。液体でも固体でもない謎めいた銀の流動体をバロックに見立て、そこに擬人化したイメージを重ねて、『バロックの真珠ーあるいはレカミエ婦人の彷徨える二つの感情』と題した作品であるが、そこに潜む危ういエロティシズムを直感し、興味を覚える人が多い。

 

 

又、イブ・クラインが実際に着色したオリジナルの断片をオブジェの中にそっと忍ばせ、『パルミジャーノの青い肖像』と題した作品もある。今までの作品とは異なった展開をしている今回の個展、暑さにもかかわらず多くの方々が来場され、中でも、オブジェを2点、大作の版画を1点まとめて購入された方の出現は、私を驚かせた。今まで200点以上のオブジェ、9000枚以上もの版画を世に送って来たが、それらは全てコレクションされて,アトリエには何も残っていない。これは表現者である私の誇りとするものであるが、今回の出品作品も全て、縁ある方々の元へとコレクションされていくのであろう。今、画廊でその作品群を見ているが、それは作者としての作品との惜別の時間でもあるのである。

 

 

 

 

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