『12断片ーPARIS・VENEZIAの黒い廻廊を巡って』

今月の8日(月)から、銀座に在るギャラリー福山で、『12断片ーPARIS・VENEZIAの黒い廻廊を巡って』と題する私の個展が開催される。オーナーの福山幹子さんは70年代には東京画廊に在職していたというから、かなりのベテランである。この画廊を初めて訪れたのは、10年以上も前に開催された、ドイツの銅版画家ホルスト・ヤンセンの個展を見に行った時である。入口の芳名帳に書いた私の名前を見て、福山さんから声を掛けてこられた。私の作品の「質の高さ」をとても気に入っておられるとの由である。口調は熱く、本当に評価して頂いているのが伝わって来た。ならばと、私はそこで「もしよろしければ、ヤンセンの作品と私の作品を交換しませんか?」という図々しい申し出をした。すると福山さんは微笑しながら、「では、ヤンセンを2点とあなたのを2点で」と話され、手元にある三十点近い中から好きなのを選んで良いと言ってくれたのである。早速、翌日に私は作品を持って訪れ、福山さんの気の変わらぬ内にヤンセンの「魚の頭部」とエロティックな作品(何れも秀作!!)の二点を交換したのは言うまでもない。私はこのような交換トレードをいくつかの画廊でして頂き、わが画室には、ルドンゴヤタピエスベルメールメクセペルホックニーetcなどのコレクションが増えていった。

 

その時以来、福山さんからは私の個展を開催したいという御話を頂いていたが、タイミングが合わず、ようやく今回実現したという次第である。未発表オブジェや写真も出品しているので、ぜひ御覧頂きたい内容である。さて、このギャラリー福山は銀座の一角とはいえ、喧噪から離れた、ちょっとタイムスリップしたような場所にあり、私は何回か迷った事がある。念のため、住所とTEL番号をメモしてから来られることをお勧めしたいミステリアスな画廊である。

 

ギャラリー福山
会期:11月8日(月)〜20日(土)日・休廊
時間:12:30〜19:00〈土曜日は17:00まで〉

東京都中央区銀座1-23-4明松ビル303
TEL.03-3564-6363
*有楽町線「新富町」駅から徒歩2分。
(出口 1.2.)音響ビル並び。

 

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