月別アーカイブ: 7月 2010

オフィシャル・サイトを開設しました。

旧サイトkenji-kitagawa.com から kenjikitagawa.jp に進化しました。より充実した内容で新鮮な情報をお届けいたします。新生・北川健次オフィシャル・サイトをどうぞよろしくお願いいたします。

 

RIMBAUDMANIA ランボーマニア展

2010年5月〜/パリ市マレの歴史図書館で開催中!

 


 

パリに現存する19世紀の遺構であるパサージュ・ヴェロ=ドダで、美術と文学の古書を商うベルナール・ゴーギャン氏から手紙が届いた。4年前にANAの機内誌『翼の王国』の編集長からパリ特集の原稿を依頼され、取材をした時以来の仲である。細かい文字でびっしりと書かれた手紙には、現在、パリ市立歴史図書館で開催されている『RIMBAUD MANIA』展で、私の版画を見た事、エルンストミロピカソジャコメッティジム・ダイン達の作品と比べても堂々とした存在感と強いアニマを私の作品が放っていた事、そしてあいかわらず年齢不詳の危しい人間でいるのか?という事・・などがエスプリとユーモアたっぷりに書かれていた。

 

ゴーギャン氏は、パリでも知る人ぞ知るハンス・ベルメールのコレクターであるが、ホックニー達とも面識があり、強い美意識を持った慧眼の人。そのゴーギャン氏からの好意ある手紙に、今後の仕事への自信が深まる。パリを訪れて展覧会を見て来られた、友人の澄谷裕子さんから詳しい話を伺った。会場の中でも最も目立つ場所に私のランボーの版画が展示してあったとの由。ネットで配信されてきた、本展の企画者であるランボーの研究家のJeancolas氏がインタビューを受ける時も、私の作品をバックにしてしゃべっており、氏はかなり気に入っている様子。アングロサクソン人は、基本的に東洋人を自分たちの下に見ているが、その先入観を払拭して評価された事は、何よりも嬉しいことである。〔澄谷さん、ありがとう〕

 

9月から始まる個展のために、今、制作は真っ只中。何故こういう時にパリで展覧会が開かれているのか。訪れてみたいが、状況はかなり難しい。展覧会はパリの後、ランボーの生地シャルルヴィルのランボーミュージアムに巡回されるが、訪れるとしたら、それが開催中の秋になるであろうか。

(北川健次)

 

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RIMBAUD MANIA 展

RINBAUD MANIA

 

パリ市立歴史図書館で開催されている『RIMBAUD MANIA』展で版画作品を出品しています。

エルンストミロピカソジャコメッティジム・ダインをはじめとして、数多くのアーティストたちを魅了してきたアルチュール・ランボー。そんなランボー・マニアたちの作品を一同に集めた贅沢な展覧会、ランボーの研究家 Claude・Jeancolas氏の企画によるランボー・マニア展がパリで開催中です。その展覧会に北川健次が招待作家として参加しています。作品は、ピカソと並んでいるそうなので、すぐに発見できるでしょう。

 

この展覧会はパリの後、ランボーの生地シャルルヴィルのランボーミュージアムに巡回されます。

 

 

 

会場には、ランボーの詩集(初版)、世界中で出版された詩集、ランボーを歌ったレコードのジャケット、ミュージカル『地獄の季節』や映画『Total Eclipse太陽と月に背いて』など、貴重な資料や作品も展示され、まさにランボー・マニア必見!の展覧会。

 

「RIMBAUD MANIA 展」図録

 

この時期パリへお出かけの方、パリ在住の方はぜひ訪れてみてください。

2010年5月7日〜8月1日まで。

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直線上のEVaの柔らかな右腕のために

森岡書店入口

地下鉄の茅場町駅から歩いて2分。霊岸橋の近くに不思議な趣ゆえに、ひときわ目を引く一軒の古いビルがある。その名を第二井上ビル。伝聞によると昭和2年の建立というから、東京で最も古い建物の一つであろう。ガラスの重い扉を押して中に入ると、そこに漂っている空気はもはや別世界のそれである。薄暗い階段を上って三階へと行く。するとそこに、ひっそりとした佇まいの「森岡書店」がある。西洋の写真集や美術書を商う書店とギャラリーを兼ねた場であるが、むしろ第一印象は、秘密の書斎や探偵事務所に近いイメージを抱かせ、尚も残る不思議さを漂わせている。

 

以前にも私は、このメッセージの欄で森岡書店との出会いを熱い文章で記した事があったが、ようやく比の度、ここで作品の展示を催す事となった。今回は、作家にして、美術家・写真家としても知られる異才伴田良輔氏との二人展である。

 

昨年の春に開催した高島屋での私の個展に伴田氏が訪れてくれた際、開口一番「今、幾何学の美しさにはまっている。」と氏は語ったのであった。それを聞いた瞬間、私の脳裏に〈幾何学のエロス〉という文字が突然に浮かび「伴田さん、幾何学とエロスを主題とした二人展をやりませんか。場所は二人とも面識があるという事から森岡書店で!」という言葉を返したのであった。伴田氏も大いに興味を示し、その場で展覧会の構想が立ち上がり、内容に共鳴して頂いた森岡督行氏の企画で実現したのである。    霊岸橋にて・・・・ 北川健次

 

   

展示風景

 

『直線上のEvaの柔らかな右腕のために』

伴田良輔×北川健次

会期:2010年1月7日(木)〜1月30日(土)

時間:13時〜20時

場所:森岡書店 03-3249-3456
中央区日本橋茅場町2-17-13 第二井上ビル305号

 

 

 

 

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鏡面の詩学-ジョン・フレミングの仮縫された肖像

 

新作銅版画集

『鏡面の詩学-ジョン・フレミングの仮縫いされた肖像』

 

反転して表れる版画の構造を鏡の表に見立て、そこに透かし見た仮装の幻視を、

版画集という分光器(プリズム)の中に重ね合わせるという新しい試み。

 

 

 

サイズ 38×28.5cm /収録点数 8点(他にタイトル作品・テキスト)

限定70部 /価格 190,000(会期中価格)(定価24万円)

会期中は特別価格でお求め頂けます。

◆版画集には、8点の銅版画、シルクスクリーンによるタイトル作品、

自作の四篇の詩が所収されています。

 

昨年6月に刊行された北川健次銅版画集は高い評価を得て、版画の技法書の巻頭で、駒井哲郎長谷川潔と共に、「銅版画の名作」として掲載されました。また、版画集の中のランボーを主題とした作品は、ピカソ、クレー、ジャコメッティ、メープルソープなどと共に選出され、フランスでの展覧会に招待出品されます。

 

〈2008年・新作展スケジュール〉

10月6日~18日 不忍画廊 (東京 03-3271-3810)
10月7日~19日 ギャルリー宮脇 (京都 075-231-2321)
10月7日~25日 MHSタナカギャラリー (名古屋 052-269-3751)

12月6日~18日 ギャラリーオキュルス(東京 03-3445-5088)

*上記の他に、全国十ヶ所以上の画廊で開催 。

 

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密室論―サン・ラザールの着色された夜のために

北川健次、初めての写真作品。
日本で初めて銅版画に写真製版技法を導入。
その独自の鋭い詩的感性と卓越した意匠性の新たな到達点と言えるでしょう。

 

ミケランジェロの彫刻

写真とは何か?

この問いに答えるならば、例えば森山大道は「光と時間の化石」と記し、ロラン・バルトは「死のメチエ」という言葉を澱のように重ね、そして私は、「自身の内なるフェティシズムとの暗い照応」という言葉を、そっと付け加えるであろう。

1月12日午前、私がカメラのレンズを通して冬のパリを眺めた時、目の前を領していたのは光ではなく、重く閉ざしたメランコリーであった。少なからず私は焦った。外景を撮ることの無謀さを直感した私は、被写体をルーヴルの彫刻へと転じ、シャッターを押しまくった。

 

 

 

ガラスを通して天井から差し込む光が硬い大理石に妖しく揺らぎ、瞬間、官能がフッと息を吐くように立ち上がる。それを撮る。まるで狩るように、さらに撮る。カメラという暗箱の中に次々と「時の結晶」を収めていくという行為はそれ自体がとてもセクシュアルであり、私は感覚を全開にして溺れるように浸っていった。

 

私の初めての写真の個展3月6日から26日まで。

日本橋浜町のギャラリー・サンカイビにて開催される予定。

タイトルはおそらく、『密室論――サン・ラザールの着色された夜のために』になるであろう。

どのような展示になるのか全く見えていない分、自分でもたのしみである。

2008年2月16日 巴里日記IIより  北川健次

 

 

 

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Elementー回廊を逃れてゆくアポロニオスの円

新作銅板版画集によせて:

今回発表した版画集「Element ー 回廊を逃れゆくアポロニオスの円」のイメージの立ち上げは、先ずは具体的な物事を撮影することから始まった。

「円と戯れる女、暗室の中の彫像、英国製のガラス細工、マヌカン、モナ・リザと覚しき女の肖像、円形の古鏡の前に立つ女、紐、———つまりは、オブッセショナルな円の変容(幾何学的構造の悪い夢……)。」

 

2,000枚近い光と陰の刻印が次第に重なり、遂には「回廊」という場所に集約され斑点するように版画の構造へと移っていった。会場に展示された十数枚の写真は、その過程における断片的な軌跡である。

版画にしか出来ない表現の可能性:

今回の版画集は八点の銅版画から成り立っている。私のうちなるオブセッションを、幾何学的図形に投影し、内なるイメージの深層を立ち上がらせてみようというのがテーマである。舞踊家をモデルとした実際の写真撮影から制作が始まり、私が今まで培ってきた方法論と対置させ、それらを等価値に取り込んで、八面体の幻視的な装置のように配置を試みてみた。

 

版画にしか出来ない表現の可能性の一つに「版画集」という存在がある。駒井哲郎や池田満寿夫といった60年代の版画の旗手たちの時代に比べ、昨今はこの可能性に挑戦しようとする作り手は少なくなってしまったが、私はこの実験性に満ちたスリリングな構造の中で「二次元のオブジェ」としての版画の意味を確立しようと思っている。

 

「版画集」

それは私にとって限りない可能性を秘めた、詩想と謎を捕るための危うい装置なのである。

 

版画   二次元のオブジェの可能性を求めて:

今秋、パリの出版社から詩人のアルチュール・ランボーをモチーフとした美術作品について備考下研究書が『Le regard bleu d’Arthur Rimbaud』というタイトルで刊行されるが、その中に、私の版画集に収められた二点の銅版画も掲載されることになった。テクストの対象となる美術家は私の他に、ピカソ、ブラック、ジャコメッティ、マックス・エルンスト、ジャン・コクトー、メイプルソープといった個性的な人選であるが、刊行に併せて2008年3月まで美術館での刊行記念展も開催される予定になっている。

 

日本語版と同時に海外でもその質を問うべく版画集の英語版(および仏語版)を刊行してきたが、二年前に実現した、版画のイメージが舞台となったパリのパサージュでの実験的な展示に続き、今回のような形となって評価されてきている事は、版画集に独自な表現の可能性を求め続けている私にとって、さらなる意欲へと高まっていくものがある。                                                      北川健次

Elementー回廊を逃れてゆくアポロニオスの円

新作版画展 2007 年   7月23日(月)~8月4日(土)ギャラリー オキュルス

 

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偽書あるいは無人の館に舞う七匹の蝶

新作立体展 仕掛けのある風景

Pseudograph-or seven butterflies dancing in a desolate mansion

 

 

ヴェネツィアに現存するダリオ館という、館の主が次々と謎の死をとげてしまう不可解な建物をイメージの舞台に、そこから立ち上げる様々な「語りえぬもの」を次々とオブジェという構造の中に捕らえていった。

 

作品タイトルは「ダリオ卿に扮した男のいとも高貴なる右腕」「シャルトルを夢見た男の話」「スペインの薬局」「絶対に何も書いていないルガモンの書記」「三角–triangleの中の三つの異なる筆跡」「偽書あるいは無人の館に舞う七匹の蝶」など。 

 

登場する人物は、デューラーカフカルイス・キャロルモランディ・・・・・。

自由に想像の翼を広げて観て頂ければ幸いである。

7月22日(土)~10月6日(土) 銀座・ギャラリー椿

 

 

 

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黄金律ーNANTESに降る七月の雨

フランスのナント市にある「ポムレー路地」という名の彫刻廻廊を写した、一枚の絵葉書がある。

まるで舞台の書割のように巧みに配された何体もの寓意的な彫刻。シンメトリーの建造物。そして正面の階段を昇っていく人物群と降りてくる人物群の、チェス盤上の駒を想わせるような、これもまた巧みに配置。さらには、時を隔てた遥か彼方から現代の私達を凝視しているかのような、画面下部の少年のまなざし。

絵葉書ならば本来は没になるであろう、この少年の突然の侵入は、構図全体の完璧な秩序をわずかに乱しながら、日常性からアニマ(霊性)を帯びた「不思議」へと、この絵葉書のありようを変える効果を演じている。そして、それが単なる絵葉書の域を超えて、百年以上も前のある一瞬の時を永遠に停止させてしまったような観も呈している。(未生の魂よりも以前に、私は確かにこの場所を訪れたことがある。)ーそう想わせてしまうような甘やかな既視感と、悪い夢見のような仕掛けのある毒さえも孕んだ妖かしの一枚表象。

 

この写真に出会ったのは今から6年前のことである。以来、私の脳裸の片隅にはいつもこの写真の存在があり続け、ついにアニマの現在を確かめるような想いで導かれるように、昨年の夏、ナントのイメージの新たなる狩猟場を求めるかのように、私は無意識のうちに、そこを訪れるタイミングを直感的に計っていたのかもしれない。

 

「イメージを皮膚化する試み」をテーマとした三部作の版画集を完了し、私が新たに立ち上げたテーマは、「イメージの変容ー距離の詩学」である。そのイメージの舞台として構想を得たナントの街と「ポムレー路地」は、アンドレ・ブルトンが『ナジヤ』の中で記したように、さらにはマンディアルグ暗黒の幻視を紡いだように、確かにイメージを煽る強度な磁場に充ちていた。冒頭に立ち戻ろう。私を捕まえて離さなかったこの一枚の写真は、私が予測した以上に新たなるイメージの中に入りこみ、密なる変容を遂げている。

 

『黄金律ーNANTESに降る七月の雨』ー私がナントを訪れた時、街は快晴であり、空の高みまでも青く澄みわたっていた。しかし、記憶の中のナントの街には、何故かいつからか日照雨が降っており、今もなお降り続いている。それにしても私の無意識の中で「雨」とは何の謂なのであろうか?思うにそれは抒情への傾斜なのではないかと、制作を終えた今、ようやく思いに至っている。今までの作品の中で、私は意識的にそれを排除し続けてきた。しかし、今はその扉をそっと開けようとしている。そぼ降る銀糸のような抒情の雨滴。……小さな一枚の絵葉書が孕んだ強度な写真のアニマは、私の内なる禁忌さえも、どうやら犯してしまったようである。

 

〈黄金律―NANTESに降る七月の雨〉

◆銅版画7点組タトウ入り。日本語版限定48部19万円。

◆フランス語版は、 日本語版と同じ作品7点組。限定42部23万円

(タトウのデザインのみ異なります)4月刊行予定。

 

 

 

 

 

〈黄金律―NANTESに降る七月の雨〉刊行記念展は、2006年、全国を巡回しました 。

ギャラリー池田美術(東京)、ギャラリー本城(東京)、ギャラリー・オキュルス(東京)、あーとらんどギャラリー(徳島)、MHS・タナカギャラリー(名古屋)、ギャルリー宮脇(京都)の5ヶ所。コレクションOMO(熊本)、中上邸イソザキホール(福井)、ぎゃらりー図南(富山)、新彩堂(札幌)


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箱のTHEOLOGY ’89’-98

 

 

1989年、「黒の装置―あるいは変容のための十四の試み」から始まって、「封印のための十二の雛型」(1990年)「十二断片―暗喩法あるいは箱のコスモロジー」(1993年)と続く、北川健次のボックスアートは、一貫して「封印」と「ガラス考」をテーマに「箱」の可能性を追及している。

 

ギャラリー池田美術 2002年3月16日(月)~4月4日(土)

 

 

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